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mercibeaucoup

30代。厄年。役職3年目。

栄養管理に不安があっても

3月半ばからの急激な食欲不振。
ある日嘔吐を繰り返し、救急外来受診。

診断は、
末期の慢性腎不全による重度の高カリウム血症、
いつ心停止してもおかしくない言われた。

その日に緊急カンファレンスをして、
看取りケアへと、
ケアプランの内容・ケアの方針が変わった。

「何も要りません」
「食べたくないです」
閉眼・臥床での受け答えが基本スタイル。
ずっと絶食、点滴のみの状態だった。

そんなおばあちゃんが、
4月に入ってから急に覚醒。
私が廊下を歩いていたら、
大きな声で
「職員の方ーー!◯◯◯ですー!」
(◯◯◯は、その方の下の名前)
と声がした。
「私、いっこもご飯よんでもらえへん」
「なんで食べさせてもらえへんの」
「おいしいもん、よんでよ」
と、半分怒り口調で訴えられた。

その日以降、食欲が回復。
上記の訴えが続いた。

その頃、血中カリウムも基準値にまで、改善されていた。
ただし、腎機能は未だ悪い。

食欲回復といっても、一食分は食べられず、数口で満足してしまう。
生きていくために必要な栄養量を、
十分には摂れない。

けれど、楽しみとしての目的をもっての食事提供は必要だ。

相談の上、その日から個別メニューで、好きなものを中心に、
朝はパン、
昼と夕は、少量のおかゆと佃煮、
お味噌汁、
食べられそうな日には、おかずもほんの少しだけ(漬物皿に少量)
お出しするようにして、現在に至る。

最近は、記憶もしっかりしてきて
「看護婦さんが、私は食べたら気持ち悪くなるから、あんまり食べたらあかんって言いよった」

「朝は、パン呼ばれたで、昼はおかゆさんやろ?」

今日の決め手は
「わたしな、◯◯病院(この施設に入所する前々に入院していた病院)に、
骨折で入院したのは覚えとんやけど、
そこからの記憶がないの。
ここに何故いるのか分からないの。
でも、最近まで調子悪かったみたいやわ。
その間やんちゃしとったみたいー!
ごめんねー!」
あははと笑いながら、
食堂でリクライニング車椅子に座って出てきて、
オーバーテーブルの上にお膳を置いて
自分でご飯を食べる
素晴らしくかわいい姿。


さらには
「私はやっぱり、このお膳なんやな、みんな一杯乗ってるのに」

自身の皿数が少ないという
的確な状況把握が出来ていながら、

「昨日な、米粉ヨモギで団子作るって言いよったから、頼んどいたんや」と、
時折、ほんとの話か、認知症の世界のお話か、どちらともとれない会話をする。

そんな可愛い利用者に囲まれ、一緒に笑いながら仕事をできる喜びを感じた日。


医療機関にかからなければ、
明確な根拠は得られないし、
栄養管理もあやふやかもしれない。
けれど毎日、利用者の顔を見ること、診ること、話をすること。
それらを当たり前に
欠かさないことで、
自分のしてることを肯定できる気がする。