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30代。。仕事と家庭を両立したい。夫が大好き。

覚えておきたい気持ちたち

2016年3月、管理栄養士として8年7か月勤めた職場を退職する。

4月からは、新しい土地で、現場栄養士の仕事となる。

今までとは正反対の業務を選んだのには、私情がある。

しかし、私はいつかまた、管理栄養士の仕事に就きたい。

いつか新しい資格も取りたい。自身のキャリアプランがあっての選択だから、

誰になんと言われようと、後悔はない。

今の選択が最良だと思っている。

 

たった1つの心配事は、こうして管理栄養士として働いて、

今感じているこの楽しみと刺激、緊張感や達成感を

自分が忘れてしまわないか?ということだ。

残しておきたい、覚えておきたい。

 

だから、ここでふとした瞬間に読み返したいと思った。

自分のしてきたことを、足あととして残しておきたい。

少しだらだらと取り留めのないことを、今日は書こうと思った。

 

「楽しいイベントがあるから、老人施設の栄養士がしたい」

という安易な気持ちで、この職場を選んで採用いただき、

最初のうち、私の関心事はと言えば、調理・厨房関係が大半だった。食事への楽しみ、イベント食。

しかし、私の勤務した老健では、行事食がほとんどなかった。あったとしても不十分だった。

やりたかった行事食が不十分だ・・・悲しい現実。

だからこそ調理・厨房関係に自然と力が入った。

利用者に「喜ばれる、華やかで美味しい行事・イベント食」を調理していただくために、どうすればよいか考えた。

人材マネジメント、現場マネジメント・・提案から企画、実施、反省。

”反省を踏まえた実施” を数年繰り返した。最終的にはメニューが確立し、現在まで安定導入を続けることができている。

今、あの職場にある食事はすべて私が作ったといっても過言ではないと自負している。

 

そして、厨房の委託業者とお互いに信用しあえる関係性ができたのが、5年目頃だった。安心して業務委託をすることが出来た。

 

その頃から、私の興味は栄養管理へと向いた。

それまで、治療や指導といった臨床栄養関係は大嫌いだったが、

なぜ、今こうして学びたいと思ったのか。

もちろん、老健の社会的役割や現在の社会情勢があるからという理由もあるが、併設病院の管理栄養士さんの影響が一番大きかった。

知識のなさを実感した、そしてひどく怒られた。勉強不足を自覚した。

それから月に2回は研修に通い勉強した。その中で、尊敬できる管理栄養士の先生に出会って刺激を受けた。

管理栄養士とは、このようなスキルを持つ資格なんだと、遅ればせながら知った。

そこから、自身の栄養管理に対する考え方が大きく変わった。

 

 

食べられない利用者がいる。

なぜ?栄養士ができることは何だろう?

だから利用者の近くにいる時間を長くした。他職種と常に話すようにした。

利用者の回りに、ヒントはたくさん転がっていた。

食べる動作だったり、毎日の活動だったり。お皿の中身が減っていても、必ずしも口の中に入っているわけではない。食べている内容が偏っていることも多い。

他職種に話しかけることで、次第に相談や提案を受ける件数も増える。提案をいただいたら、必ずやる。一見「その対応で大丈夫?」と思うようなことでも、やってみたら良い結果になることも多かった。

何より、他職種協働は多角的に利用者を診れるようになる。

点と点が線になる、あの感覚。

栄養士の知識なんて、本当に小さくて点でしかないと、毎回感じている。

 

他職種で食事サポートをして、協力しながら徐々に食べる量が増える。

利用者の笑顔が増える、発語が増える、体動が増える、わがままが増える・・・

個性があふれる。

とても楽しい。

これを覚えておきたい。

 

 

もちろん、私はまだまだ未熟で恥ずかしいが経験も浅い。

だから今後も学び続けたい。

少なくとも私自身の管理栄養士としてのやりがいは、利用者とともに過ごす時間や他職種協働の中にある。